有限会社竹松商店

竹松商店の仕事

竹松商店の仕事

たけのこ堀から晒竹作り。工芸品・特注品制作まで。
幅広い竹の知識や技術力を持った職人がひとつひとつ丁寧に手作業をしています。

冬の油抜き冬の油抜き

冬・・・竹屋の竹材つくりが始まります。通常竹製品の加工には青竹から油分を抜いた白(黄色)っぽい竹、晒竹(サラシダケ)を使います。その晒竹をつくるのです。
一年分の材料を見越して青竹を用意し、長さを整え、1~2ヶ月立てかけておき、外気に晒し、ある程度の水分をとばしておきます。

厳冬の2月~3月頃、いよいよ油抜きがはじまります。油抜きには2種類の方法があります。熱湯を使う「湯抜き式」と火を使う「火焙り式」です。 竹松商店では「湯抜き式」にて油抜きいたします。傾斜のついた特殊な釜に水を満たし、火を入れ、数時間かけて湯を沸かします。湯が沸きあがったら用意しておいた青竹を一本一本釜へ入れてゆきます。竹の具合、火の具合、湯の沸き具合が大切です。火が強すぎると熱湯がすごい勢いで溢れ出します。 火が弱いと湯が沸かず、きれいに竹の油が抜けません。ポコポコポコ ポコと沸かし続けるのが理想です。しばらくすると竹の切り口に泡が出始めます。そうしたら頃合を見計らって竹を釜から抜き出します。

釜から抜き出した竹はすぐに拭き手に渡されます。「熱い!」などとは言っていられません。熱いうちに竹の表面に浮かび上がった青竹の油分を拭き取らねば固まって拭き取れなくなるのです。ですから拭き手も一生懸命。厳寒の季節に汗をかきながら拭き続けます。素早く・・・しっかりと・・・ゴシゴシ と・・・磨きこむように・・・。 この作業をその日分の竹が無くなるまで一日続けます。弊社では通常三人一組で毎日交代で行います。

丸一日かけてあぶら抜きした竹は外に運ばれ天日で干されます。あぶら抜きして間もない竹は美しい若草色ですが、数ヶ月外気に晒されると白(黄色)っぽい色になります。 そして職人の手をへて各種の品々に生まれ変わってゆきます。

春の筍掘り春の筍掘り

春、4月上旬~5月上旬、竹藪の整理もかねて筍を掘り起こします。掘り起こす筍は孟宗竹の筍です。 筍掘りの必要なものは「くわ」と呼んでおります道具(「ほり」と呼ぶところもある 様です)と背負子、それに人手が少々です。
地表からわずかに出た筍の頭を発見し、掘り起こします。

竹藪で、朝から昼まで筍を・・・探して、見つけて、掘り起こして・・・・ 探して、見つけて、掘り起こして・・・探 して、見つけて、掘り起こして・・・

掘り手が通常三人、ひたすら掘り起こします。拾い手が一人、背負子を背負って集めてくれます。水分たっぷりの筍はかなりの重量になります。

提灯弓提灯弓

提灯弓とは提灯を張る弓状の持ち手のこと です。提灯弓の制作は竹材を任意の寸法に 切るところから始まります。 重い青竹を朝 から昼までかかって5~6人で荒切りし、積み上げてゆきます。
荒切りした竹材の外側の節をきれいに取除き、割ってゆきます。 荒割りし、内節を取除き、幅、厚み、形、と徐々に整えてゆきます。

形が整えられた提灯弓材を更に各お客様が お求めのサイズに応じてカットし、竹の表皮を丁寧に取除いたのち、黒色に染色します。
染色された弓材は乾燥機や天日で乾燥させたのち、熱を加えて一本一本曲げられてゆきます。

曲げ加工が済んだ弓材に金属板と背部の竹を取り付けてゆきます。
ドリルで下穴をあけ、釘を打ち込み固定します。穴を二つあけたら釘を二本、かなづちで打ち込みます。

打ち込んだ金属板を一本一本手で曲げ、フック状にしてゆきます。金属板の曲げ加工が済んだら仕上げにもう一度黒く着色します。これも一本一本手作業で仕上げてゆきます。再度よく乾燥させた後、箱詰めされ全国に出荷されてゆきます。御覧のように一本づつすべて「手」で一生懸命作っております。

竹をためる竹をためる

「ためる」とは竹に熱(火)を加えて真直ぐ に矯正することです。「火」と「ため木」 という道具を使い、竹の曲がり具合、節部分でのズレ等を一本一本「目」で見て「手」で直してゆきます。この作業をしっかりしておかなければ後々美しい作品はで きません。

竹を曲げる竹を曲げる

竹は、丸竹であればあまり太くないもの、へいだ竹やヒゴ(竹を割いて幅、厚みを整えた竹材です)は任意の形に曲げることが可能です。
薄いヒゴ等はそのままでも曲げることは可能ですが、丸竹や厚みのある竹材を曲げる場合は火を使います。竹に熱 (火)を加え、任意の形になるよう徐々に力を加えてゆきます。焦がさないよう、燃やさないよう、ゆっくりと整形してゆきます。求める形に整ったら水につけて冷まし、形を固定します。 (※場合によっては焦げるほど強く加熱することもございます。)

組み上げる組み上げる

竹松商店ではお客様よりお預かりする図面、スケッチ、見本品等をもとに、小さなものから大きなものまで様々なご依頼品の制作に関するご相談にもお応えしております。
お問い合わせ頂いたお客様と相談し、求めておられるイメージをできるだけご提供できるよう気をつけて組上げてゆきます。

編み上げる編み上げる

竹松商店では様々な竹編み工芸品、竹を編んで作る品の制作作業も行っております。お客様よりお預かりする図面、スケッチ、見本品等に合わせて制作してゆきます。

長年のご使用により古くなったもの、破損したものなどを新たに新調される際にもご協力させて頂いております。